どのような方法で作成するのか

相続関係説明図とは?作成のために必要な資料と作成方法について

相続が起こると、被相続人の財産を相続するためにさまざまな手続きが必要になります。たとえば、被相続人名義の預金口座は凍結されるため、相続するためには解約手続きが必要になります。また、不動産を相続した場合は相続登記の手続きが必要です。さらに、相続税の申告書の作成や納税も必要になります。

目次

相続に関する手続きは多岐に渡り、手続きによっては、被相続人が誰で、法定相続人とはどのような血縁関係なのかを説明しなければならないことがあります。このような場合に作成するのが相続関係説明図です。

相続関係説明図とは

それではまず、相続関係説明図とは何なのかについて解説していきます。

相続関係説明図とは

相続関係説明図とは、法定相続人が誰なのかを書き記した説明図のことをいいます。特定の決まった様式はありませんが、通常は家系図に似た様式で作成します。

相続関係説明図は作成や提出が必ずしも必要ではありませんが、多くの場合相続に関する手続き時に参考資料として作成・提出されています。それはなぜでしょうか?

そもそも、相続が起こると、まず相続人の特定をしなければなりません。遺言書がある場合は遺言書の指示に従って相続人が決まりますが、遺言書がない場合は、亡くなった方との血縁関係により、相続人が決まります。この血縁関係によって決まる相続人のことを法定相続人と言います。

法定相続人には第1順位から第3順位までの相続順位が民法で定められており、配偶者と相続順位が高い血縁関係者が法定相続人となります。しかし、法定相続人の中には被相続人よりも早く亡くなっている場合もあるため、そのような場合には子や孫などの直系卑属が代襲相続人として財産を相続します。

また、ごくまれですが、相続人の中に欠格者や廃除された人がいる場合があるため、被相続人と誰がどのような血縁関係にあり、そして最終的に法定相続人に誰がなるのかを理解することは決して簡単な作業ではありません。

そのため、相続に関する手続きを行う場合、第三者に対して誰が相続人であるかを分かりやすい形で表示し、手続きが間違いなく迅速に行われるために相続関係説明図が作成されているわけです。

相続関係説明図が必要な場合はどんな時?

では実際に、どのような場合に相続関係説明図の作成が必要となるのでしょうか?

相続関係説明図の作成が必要となるのは、おもに以下の2つの場面です。

  • 相続登記を行う場合
  • 預貯金や有価証券の解約時

相続登記を行う場合

被相続人の所有していた不動産を相続した場合、法務局で名義を変更するための登記手続きを行います。これを相続登記といいます。相続登記を行う場合は、相続関係説明図を作成して申請書とともに提出します。

ちなみに、相続登記を行う場合は、相続関係説明図を添付しなければ相続登記ができないわけではありません。しかし、相続関係説明図を添付すると相続関係が明らかになるため、相続登記完了後に戸籍謄本などの原本還付を受けることができます。

預貯金や有価証券の解約時

金融機関で預貯金や有価証券などを相続により解約する場合、法定相続人を確認するための資料として相続関係説明図を提出する場合があります。

相続関係説明図の提出は金融機関によって任意の場合もありますが、あらかじめ作成しておいた方が相続人の特定がスムーズに行われます。

相続関係説明図の作成方法


それでは、相続関係説明図の具体的な作成方法について解説していきます。はじめに、相続関係説明図を作成するために必要な書類を集めます。

相続関係説明図の作成に必要な書類

相続関係説明図を作成するために必要な書類は以下の4つです。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票(除票)または戸籍の附票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の住民票

被相続人の戸籍謄本

相続関係説明図を作成するためには、相続人が誰になるのかを調べなければなりません。そのために、被相続人の戸籍謄本を、死亡時から出生時まで順に遡ってすべて集めていきます。

転居などにより本籍地を移動すると、もともと本籍があった場所の戸籍は除籍簿に移ります。最新の戸籍にはひとつ前の本籍地しか記載されていないため、亡くなった時の戸籍謄本からスタートし、除籍簿を順に一つ一つ辿って出生の時まで遡っていきます。

なお、戸籍謄本は本籍地を管轄している市区町村役場で取得することができます。

被相続人の住民票(除票)または戸籍の附票

被相続人の最後の住所を調べるために、被相続人の住民票もしくは戸籍の附票を取得します。なお、本人が亡くなると住民票が消除されるため、通常の住民票でなく「住民票の除票」となります。

どちらの書類も、被相続人の最後の住所を管轄している市区町村役場で取得することができます。

相続人の戸籍謄本

相続人の戸籍謄本に関しては出生時まで遡る必要はなく、最新のものだけで結構です。こちらも、相続人の本籍地を管轄している市区町村役場で取得することができます。

相続人の住民票

相続人の住所を特定するために、相続人の住民票を集めます。相続人の住民票は、相続人の現住所を管轄している市区町村役場で取得することができます。

相続関係説明図の書き方

相続関係説明図の書き方には、決まった様式がありません。しかし、一般的には下図のように家系図に近い書き方で作図していきます。

上図のように、人物同士の関係は罫線で表し、夫婦関係は二重線を用いて作図します。また、二重線から伸びる線の先にはその夫婦間の子供を配置します。

次に、相続関係説明図を作図していく上でいくつかの注意すべき点について解説していきます。

注意点① タイトル

上図のように、「被相続人 〇〇 相続関係説明図」と書くのが一般的です。ただし、法務局へ登記の際に提出する場合は、「被相続人 〇〇 法定相続情報」と書くこともあります。

注意点② 最後の住所

最後の住所は,住民票の除票(又は戸籍の附票)によって確認したものを記載します。なお、最後の本籍の記載については必ずしも記載する必要はありませんが,住民票の除票等が市区町村で廃棄されている場合は,被相続人の最後の住所の記載に代えて最後の本籍を必ず記載します。

注意点③ 相続人の住所

相続人の住所は必ずしも記載する必要はありませんが,上図のように記載する場合には、相続人の住民票のとおりに記載します。

注意点④ 申出人

法務局に提出する場合は、申出人となる相続人には「(申出人)」と併記します。

注意点⑤ その他の情報

最後に、相続関係説明図の作成者は作成日を記載し、自身の住所を記載した上で署名または記名押印します。

作成した相続関係説明図の印刷にはA4縦の用紙を使用し、下から約5cmの範囲で法務局が認証文を付すため,その範囲内には何も記載をしないように気を付けておきましょう。

相続関係説明図を作成できるPCソフトをご紹介

相続関係説明図は場合によってかなり複雑になることもあるため、PCソフトを利用して作図していくことをお勧めします。

そこで、相続関係説明図を作成することができるお勧めのPCソフトを3つご紹介します。

おすすめソフト① そうぞく工房3

相続関係説明図の作成に特化したソフトで、法律事務所などでも使われているプロ仕様のソフトです。相続関係説明図はもちろんのこと、家系図の作成などもできます。

【価格】50,000円(税別)
【製造元】日進測量株式会社
【販売元】株式会社リプロ
【公式サイト】http://www.nissin-skr.co.jp/souzoku/

おすすめソフト② PM相関

複雑な相続関係も、続柄を入力するだけで相続関係説明図を作成することができます。法律事務所や自治体などでも利用されています。

【価格】20,000円(税別)
【販売元】株式会社プロデュースメディア
【公式サイト】http://www.producemedia.co.jp/pm_soukan/

おすすめソフト③ エクセル

多くの人にとって、相続関係説明図を作成するのは人生のうちで数回のみでしょうから、エクセルを使うことに抵抗のない方であればこちらをおすすめします。

無料のテンプレートですが、簡単な相続関係説明図を作成するのであればこれで十分です。

【価格】無料
【公式サイト】https://www.bizocean.jp/doc/detail/101992/

相続関係説明図は弁護士などに依頼することもできる

ここまでは、相続関係説明図について、作成するために収集すべき資料や作成方法、そして作成する場合に使用するソフトウェアなどについてご説明してきました。

しかし、ご自身で作るのに自信がない方や忙しくて時間のない方は、弁護士や司法書士に作成を依頼することもできます。

特に、相続で問題が起きそうな方やすでに問題が起きている方であれば、その解決も含めて依頼されれば相続人同士のトラブルを解決してもらうことができます。

また、司法書士であれば、同時に不動産などの相続登記も依頼することができます。

相続は専門家に相談しよう


相続に関する手続きには、相続登記のように特に期限が設けられていないものもありますが、多くのものには期限が設けられています。その代表的なものが相続税の申告と納付で、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に行なわなければなりません。

しかし、相続税は誰が財産を相続するかによって最終的な納税額が変わるため、申告書を作成する前に綿密なタックスプランニングを行うことが必須です。また、相続財産の中に含まれる不動産の割合が高い場合は、相続税の税額だけでなく相続後の不動産活用まで踏まえた上で分割協議を行わなければなりません。

こういった高度なシミュレーションは、税の専門家である税理士にとっても難易度が高く、相続税を日頃から専門的に行っている税理士でなければ難しいといえます。

幸いマルイシは相続税を専門に取り扱っており、不動産に強い税理士が多数在籍しているため、こういった案件にも精通しています。相続について不安がある方やご心配な方は、ぜひお気軽にマルイシの無料相談をご利用下さい。

まとめ

相続の手続きを行う場合、相続関係説明図の作成を求められる場合があります。慣れない作業ですから難しいかもしれませんが、エクセルなどのソフトウェアを使えば作成にそれ程時間がかからないと思いますので、ぜひトライしてみて下さい。

また、作成が難しと感じた場合は専門家に依頼する事も可能ですから、その場合はお気軽にお問い合わせください。

監修者情報

税理士 藤井 幹久 (ふじい みきひさ)

マルイシ税理士法人 代表社員税理士

専門分野: 不動産税務、相続・事業承継対策、税務顧問、セミナー講師等

不動産をお持ちの方(個人及び会社)の、税理士業務と相続・事業承継対策を専門としています。これまでに10,000件を超える不動産と相続に関する税務相談を行ってまいりました。

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