アパート経営を成功させるために

アパート経営の管理業務とは?管理方法の違いと不動産管理会社の選び方

アパート経営の管理業務をどのような方法で行おうかとお悩みを抱えていませんか? 入居者からの苦情には迅速に対応しなければいけず、自分で管理業務が行えるのだろうかー。不動産管理会社に業務委託する場合は安心してお任せできるのだろうかー。アパート経営の管理業務に不安を抱く方は多いです。

監修者情報

不動産専門家 小柳 裕基 (こやなぎ ひろき)

株式会社クオリティーコンサル 代表取締役

専門分野: 不動産のコンサルティング

不動産に関するあらゆる選択肢から、問題解決につながる最適な方法をご提案いたします。特定の商品や解決策に依存しない、公平中立な立場からのコンサルティングを大切にしています。

目次

今回は、アパート経営の管理業務について詳しく解説します。この記事を読めば、アパート経営の管理業務について具体的に理解ができて、最適な管理方法を選べるようになれます。委託管理先の不動産管理会社の選び方までご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

アパート経営の管理業務とは?

アパート経営の管理業務には、次のようなものがあります。

【アパート経営の管理業務】

  1. 入居者募集
  2. 入居審査
  3. 契約
  4. 入金管理
  5. 苦情対応
  6. 建物管理
  7. 契約更新
  8. 解約清算
  9. 収支管理

最初に管理業務の詳細内容について解説します。

(1)入居者募集

競合物件を調査した上で募集条件を決め、不動産業者(仲介)に入居者募集を依頼します。不動産業者に物件の鍵を渡したり、現地にキーボックスを設置して暗証番号を伝えたりしてお客様を案内してもらいます。
入居者募集の依頼方法は2つ。1社の不動産業者に仲介業務を依頼する「専任媒介」と複数の不動産業者に仲介業務を依頼する「一般媒介」があります。専任媒介では入居者募集の活動状況の報告をしてもらえ、一般媒介では入居者募集の窓口が増やせます。

(2)入居審査

入居申込書を受領したら入居審査を行います。入居審査では、「家賃の支払い能力」「保証人の可否」「入居者の属性」をチェックしていきます。入居審査で使用する個人情報は慎重に取り扱ってください。入居審査を終えたら、不動産業者に審査結果を伝えます。

(3)契約

入居者とオーナーで賃貸借契約を締結します。賃貸借契約書は不動産業者が作成してくれます。契約を締結する前に契約文書を読みましょう。特に「契約期間」「更新の定め」「賃料」「支払方法」「敷金」「禁止事項」「契約解除」「特約事項」は念入りに確認してください。契約時には、契約金として「敷金」「礼金」「日割家賃」「翌月分家賃」が振り込まれます。

(4)入金管理

家賃は銀行振込で支払われるのが一般的です。各入居者の家賃の振込日が分かるように入金帳簿を作成しておきましょう。家賃の支払いで遅延が発生した場合は督促をします。まずは、直接会うか電話や手紙で未納家賃の支払いをお願いしてください。それでも、家賃の振込みの確認が取れない場合は法的処置を講じます。

(5)苦情対応

入居者からの苦情内容は設備の故障が多いです。設備の故障が生じると日常生活に支障をきたす恐れもあるため、迅速に対応してください。近年は、騒音やマナーに関する入居者同士のトラブルが増えています。入居者同士のトラブルにも管理者は挟まれることを理解しておきましょう。

(6)建物管理

定期的に建物の清掃を行います。また、建物が老朽化してきた場合は修繕工事を依頼します。建物設備の陳腐化は家賃下落の原因となるため、外観・内観の点検は定期的に実施してください。建物管理は資産価値に大きな影響を与えるため、建築に関する専門知識が必要となります。

(7)契約更新

賃貸借契約は一定期間ごとに更新します。更新日の2ヵ月前に入居者へ更新の意思を確認して契約書(または精算書)を作成します。契約更新時に必要な更新料に関する説明は忘れずに行ってください。更新料が振り込まれたか入金管理を行います。

(8)解約清算

退去申込みを受けたら、入居者立ち会いのもと部屋の状況を確認してください。故意や過失による傷や汚れがないかをチェックし、契約書の特約の内容に基づいて、原状回復費用の負担割合を決めていきます。入居者側が支払う原状回復費用は敷金や日割賃料から清算します。

(9)収支管理

不動産収入を得た場合は確定申告が必要となるため、毎月の収支を記録してください。家賃、敷金、礼金及び更新料の収入と原状回復工事費や管理委託手数料などの経費を整理しておきます。火災保険や地震保険の保険料も経費で取り扱えます。確定申告時に困らないように収支管理をしておきましょう。

アパート経営の管理方法

アパート経営の管理方法には「自主管理」と「委託管理」があります。

メリット デメリット
自主管理
  • 管理委託手数料を支払わなくて良い
  • 入居者と信頼関係を構築できる
  • 補修業者を自由に選べる
  • 管管理業務の専門知識が求められる
  • 管理業務を行う時間を確保が必要
  • 資産価値が低下する恐れがある
委託管理
  • 管理業務の負担が削減できる
  • 専門知識を持つプロの提案が受けられる
  • 遠方の物件でも所有できる
  • 管理委託手数料を支払わなければいけない
  • 不動産管理会社選びが難しい
  • 管理状況が不透明になることもある

自主管理

自主管理とはアパート経営の管理業務をオーナー自身が行う管理方法です。自主管理であれば、管理委託手数料を支払わずに済み、入居者とコミュニケーションが取れます。そのため、アパート経営に関する知識を持ち、管理状況を透明化させたい方におすすめの管理方法です。
その一方で、全ての管理業務を自分で行わなければいけません。早朝や深夜に入居者からの苦情を受けることもあります。きちんと管理業務をしなければ、建物の資産価値が低下する恐れもあります。そのため、専門知識を持たない方や別に本業があるビジネスマンには不向きの管理方法です。

委託管理

委託管理とは、アパート経営の管理業務を管理会社にお任せする管理方法です。委託管理であれば、全ての管理業務をプロにお任せできます。自分自身で管理業務が行えない方は管理委託を検討してみましょう。また、遠方でアパート経営する場合は委託管理がおすすめです。委託管理の場合は管理手数料を支払わなければいけませんが、自主管理の労力と比較すると高くないという見方をする方が多いです。
しかし、不動産管理会社は慎重に選んでください。不誠実な不動産管理会社を選ぶと、管理状況が不透明になる恐れがあります。

補足:一部委託を活用する選択肢もある

自主管理と委託管理のどちらが良いか迷うこともあるでしょう。経営するアパートに強い思い入れがある場合は、定期的に掃除をしたり、自分でリフォーム業者を選んだりしたいと思うかもしれません。このような場合は、管理業務の一部を委託する方法もあります。

管理会社の選び方

アパート経営の管理業務の依頼先はどのように決めれば良いのでしょうか?次に管理会社の選び方について解説します。

実績

安心して管理業務をお任せするために、管理会社の実績を確認してください。

入居率 空室を回避するために、管理物件の空室の有無(入居率)と空室期間を確認する。
管理戸数 現在の管理物件の総戸数を確認する。総戸数が多さは信頼がおける証拠となる。
客付け数 賃貸仲介部門の客付け実績を確認する。

対応力

アパート経営の管理業務を委託する場合は、不動産管理会社と密に連絡を取り合う必要があります。不安なことを気軽に尋ねられて、親身に応えてくれる担当者を選びましょう。トラブルが発生したら、早期解決のために動いてくれる誠実さは非常に大切です。トラブル放置すると問題が長期化・慢性化します。そのため、信頼できる担当者に依頼するようにしましょう。

管理委託手数料

不動産管理会社により管理委託手数料は異なります。管理業務の範囲で異なりますが、管理委託手数料の平均費用相場は家賃の5%です。しかし、不動産管理会社により、更新手数料が発生したり業務範囲外は別途料金が発生したりします。そのため、契約書の内容は確認するようにしましょう。

得意分野を把握する

管理会社により得意分野が異なるので注意してください。例えば、全国展開している不動産管理会社では24時間365日コールセンターなど広いサービスが提供されています。その一方で、地域密着型の不動産管理会社は地域特性に熟知したきめ細かな対応が期待できます。不動産管理会社の得意分野を把握して、希望する管理業務を安心してお任せできる依頼先を見つけましょう。

アパート管理業務で押さえたいポイント

管理業務はアパート経営の収益に大きな影響を与えるものです。アパート経営で収益を出すためにも管理業務のポイントを押さえておきましょう。

入居者募集を強化する

アパート経営で安定した家賃収入を得るためには、空室期間を減らさなければいけません。入居者の退去に備えて、入居者募集を強化しておきましょう。入居者募集を強化するためには、客付けを得意とする不動産業者と提携が必要になります。客付けを得意とする不動産業者には、以下のような特徴があります。

  • インターネット活用が上手い
  • アクセスしやすい場所に店舗がある
  • 取扱物件数が多い

上記に該当する不動産業者とは、交流を深めてネットワークを構築しておきましょう。

速やかに契約を締結する

入居申込みを受領したら、速やかに賃貸借契約を締結することでキャンセルを防止できます。また、物件引渡しを速やかに行えば、物件やオーナーの印象を損なうこともありません。第一印象の良さは信頼に直結します。
賃貸借契約書は不動産会社が作成してくれますが、トラブル防止のために契約の基本知識(契約書の書式や形式、確認事項)を身につけておきましょう。

家賃督促は速やかに行う

家賃滞納が発生したら、家賃督促は速やかに行ってください。滞納期間が延びると、問題は長期化・深刻化しやすくなります。振込日に家賃の支払いの確認が取れなければ、翌日に連絡を入れます。振込日を忘れていた場合は、すぐに入金してもらえるでしょう。入居者との信頼関係を壊さないためにも、督促の連絡は速やかに行ってください。

苦情は迅速に対応する

入居者からの苦情は迅速に対応します。苦情の中には、ガス漏れ・水漏れ・停電・設備の不具合など生活に支障をもたらす苦情も含まれています。このような苦情を放置すると大きな問題になる恐れもあるため注意してください。また、入居者からの苦情は24時間あることを念頭に入れておきましょう。

退去後に原状回復工事を行う

退去者が出た場合は、入居者募集に備えて原状回復工事を依頼しましょう。新生活が始まる春は、原状回復工事業者のスケジュールを押さえにくくなります。業者の繁忙期・閑散期を理解して業者手配を行うようにしましょう。慌てて業者手配をすると、修繕工事費が跳ね上がるなどのトラブルを招くので注意してください。

まとめ

アパート経営を成功させるためには、しっかりと管理業務を行う必要があります。そのため、管理業務の詳細内容について理解を深めた上で最適な管理方法を選んでください。管理方法には自主管理と委託管理の2つがありますが、どちらが良いかは状況により異なります。
この記事をお読みになり「具体的な状況を伝えて、どちらの管理方法が良いかを知りたい」「信頼できる不動産管理会社を紹介して欲しい」など感じることもあるかもしれません。そのような場合は「マルイシ税理士法人」にご相談ください。お客様に寄り添い最適な方法を提案させていただきます。

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