印紙税とは?契約書・領収書の各印紙税額一覧【2024年版】

この記事の執筆者 税理士 藤井 幹久

マルイシ税理士法人の代表税理士です。責任者として、相談業務から申告実務までの税理士業務に取り組んでおります。また、不動産税務と相続税・相続対策を主として、提携の税理士やコンサルタント及び弁護士等の他の士業と協業しながら、「不動産と相続」の問題解決に努めております。

【執筆者:税理士・藤井幹久】

各印紙税額一覧

↓※すぐに確認できるようにブックマークしておくことをおすすめします。↓

印紙税とは?

印紙税とは、個人や法人が作成する文書に対して発生する国税です。

印紙税法に定められた「課税文書」を作成する者が、税額分の収入印紙を貼付し、それに消印をすることで納税完了となります。

課税文書に該当するものは、契約書や領収書など、経済取引に伴って作成される文書です。

なぜこれに印紙税がかかるかというと、文書を作成する人の担税力(=税金を負担する力)に期待しているからです。

したがって、課税文書に記載される金額が大きいほど(=そのくらい大きい取引をする力がある時ほど)、印紙税の額は高くなります。

課税文書には、第1号から第20号まで、20種類の文書があります。

どの事業でもよく利用される文書が、第1号と第2号の契約書、そして第17号の領収書です。

契約書の印紙税額はどのくらい?

印紙税がかかる契約書は、税額の違いから、第1号と第2号に分かれています。

第1号文書

  • 不動産の譲渡に関する契約書(例:不動産売買契約書)(※)
  • 土地賃貸借契約書
  • 金銭消費貸借契約書
  • 運送契約書

など

なお、※の契約書については、平成9年4月から軽減措置が適用され、税制改正で延長が繰り返されています。

第2号文書

  • 建設工事請負契約書(※)
  • 物品加工注文請書
  • 広告契約書

など

なお、※の契約書については、平成9年4月から軽減措置が適用され、税制改正で延長が繰り返されています。

【第1号文書及び第2号文書】契約書の印紙税額一覧表

契約書の記載金額 印紙税の金額
1号 2号
1万円未満 1万円未満 非課税
10万円以下 100万円以下 200円
50万円以下 200万円以下 400円
100万円以下 300万円以下 1,000円
500万円以下 2,000円
1,000万円以下 1万円
5,000万円以下 2万円
1億円以下 6万円
5億円以下 10万円
10億円以下 20万円
50億円以下 40万円
50億円超 60万円
記載がないもの 200円

【軽減措置が適用された文書】契約書の印紙税額一覧表




2024年3月までだった軽減措置も無事に延長され、2024年4月以降から2027年3月末の間も、下記のとおり軽減措置が適用されます。

契約書の記載金額 印紙税の金額
不動産売買契約書 建設工事請負契約書
1万円未満 非課税
50万円以下 200万円以下 200円
100万円以下 300万円以下 500円
500万円以下 500万円以下 1,000円
1,000万円以下 5,000円
5,000万円以下 1万円
1億円以下 3万円
5億円以下 6万円
10億円以下 16万円
50億円以下 32万円
50億円超 48万円
記載がないもの 200円

たとえば、記載金額500万円の不動産売買契約書に対する印紙税額は1,000円ですが、同額の金銭消費貸借契約書なら2,000円になるということです。

領収書の印紙税額はどのくらい?

領収書は、第17号文書の「金銭の受取書」にあたります。

領収書の印紙税額一覧表



印紙税額は、下記のとおりです。

領収書の記載金額 印紙税の金額
5万円未満 非課税
100万円以下 200円
200万円以下 400円
300万円以下 600円
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 2,000円
2,000万円以下 4,000円
3,000万円以下 6,000円
5,000万円以下 1万円
1億円以下 2万円
2億円以下 4万円
3億円以下 6万円
5億円以下 10万円
10億円以下 15万円
10億円超 20万円
記載がないもの 200円

なお、第17号文書には、「営業に関しないもの」がすべて非課税とされるルールがあります。

このルールから、たとえば公益法人が作成する領収書、法令や定款によって剰余金の配当をしない一般社団・財団法人(例:医療法人など)が作成する領収書、私生活に関して作成する領収書などに印紙税はかかりません。

関連記事:不動産税務とは?不動産に関わる税金のすべて

まとめ

印紙税とは何か、なぜ課税されるのか、契約書や領収書の税額等について解説しました。

印紙税でもっとも重要なことは、何の文書に課税されるかを知ることです。

課税文書にあたるものでも、必ず課税されるわけではありません。

たとえば、領収書の「営業に関しないもの」のほか、災害や新型コロナの影響で非課税とされる文書や、個別の法令によって非課税とされている文書もあります。

また、印紙税がかかるのは「文書」ですので、ファクシミリや電子メールで送信するものには課税されません。

なお、印紙税を納税していないことが発覚したときは、納めていない印紙税額とその2倍の過怠税が発生します。

判断が難しい税金ですので、税務署に確認するなどして適切な印紙税の処理をするようにしましょう。


監修者情報

税理士

藤井 幹久

Fujii Mikihisa

マルイシ税理士法人の代表税理士です。責任者として、相談業務から申告実務までの税理士業務に取り組んでおります。また、不動産税務と相続税・相続対策を主として、提携の税理士やコンサルタント及び弁護士等の他の士業と協業しながら、「不動産と相続」の問題解決に努めております。

相談業務を最も大切に考えており、多いときには月に100件以上の相談対応をしています。セミナー・研修の講師や執筆を数多く行っており、「大手不動産会社の全国営業マン向け税務研修の講師」「専門誌での連載コラムの執筆」「書籍の執筆」など多くの実績があります。

税理士業界の専門誌において「不動産と相続のエキスパート税理士」として特集されるなど、その専門性の高さと実績を注目されている税理士です。

税理士紹介はこちら

  • ページタイトルと
    URLがコピーされました