確定申告は、不動産税理士にご相談ください。

【完全版】不動産に関わる税金まとめ

不動産に関する取引で発生する税金は、その取引が、不動産の「取得」・「保有」・「譲渡(=売却)」のどの機会にあたるかによって変わります。 さらに「不動産の取得」で発生する税は、取得の原因(購入・贈与・相続)でも変わります。

監修者情報

税理士 藤井 幹久 (ふじい みきひさ)

マルイシ税理士法人 代表社員税理士

専門分野: 不動産税務、相続・事業承継対策、税務顧問、セミナー講師等

不動産をお持ちの方(個人及び会社)の、税理士業務と相続・事業承継対策を専門としています。これまでに10,000件を超える不動産と相続に関する税務相談を行ってまいりました。

目次

不動産と税金


不動産に関する取引で発生する税金は、その取引が、不動産の「取得」・「保有」・「譲渡(=売却)」のどの機会にあたるかによって変わります。
さらに「不動産の取得」で発生する税は、取得の原因(購入・贈与・相続)でも変わります。
これをまとめると、下記のようになります。
【不動産の取引で発生する税金一覧】

税目 不動産の取得時 不動産の保有中 不動産の売却時
購入 贈与 相続
国税 所得税 ◯(賃貸)
贈与税
相続税
消費税
(地方消費税を含む)
◯(賃貸)
登録免許税
印紙税
地方税 住民税 ◯(賃貸)
不動産取得税
固定資産税・都市計画税

不動産を取得するときにかかる税金

不動産購入時にかかる税金

消費税

建物の購入価格、不動産業者への仲介手数料、司法書士への報酬などに対して、10%の税率で発生します。(土地の購入価格は非課税です)
具体的に何の取引をすると消費税が発生するのか、こちらの記事で詳しく解説しています。

登録免許税

法務局に、不動産の登記を申請する際に発生する税金です。
不動産の登記には、建物を新築したときの「所有権保存登記」、中古物件の購入など前の所有者から名義変更をするときの「所有権移転登記」などの区分がありますが、この種類の違いによって、発生する登録免許税の金額も変化します。
また、一定の要件を満たす登記を行う際の登録免許税には、軽減措置が設けられています。
登記の区分ごとの登録免許税の金額や、登録免許税の軽減措置を受けることができる条件については、こちらの記事で詳しく解説しています。

印紙税

一定の文書を書面で作成した時に発生する税金です。
たとえば、マンションや建売住宅の購入時などに作成する不動産売買契約書、住宅の建築のために作成する建設工事請負契約書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書などが印紙税の課税対象になります。
税額は、作成した文書の種類と記載金額で決まります。
なお、期限はありますが、不動産売買契約書や建設工事請負契約書には印紙税の軽減措置がありますので、納め過ぎないよう注意が必要です。
印紙税の金額や軽減措置は、こちらの記事で確認できます。

不動産取得税

不動産を新たに取得した人が、都道府県に納める税金です。
一定の場合に適用できる軽減措置がありますが、適用するために都道府県への申告が必要になるものがあることに注意が必要です。
不動産取得税の計算方法や軽減措置については、こちらの記事で詳しく解説しています。

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、土地や建物を所有している人が負担する税です。
本来は不動産を取得したタイミングで発生する税金ではなく、毎年1月1日を基準に、一年分の税を、その日の所有者が納税します。
ただし、不動産の取引慣習上、前の所有者が負担した一年分の固定資産税・都市計画税のうち、自身が購入した後の日数に相当する金額を、前の所有者に支払うことが一般化しています。
このような負担に備えるために、固定資産税・都市計画税がどのように計算されているかをあらかじめ知っておくと安心です。
こちらの記事で詳しく解説しています。

住宅ローン控除

住宅を購入するために10年以上にわたり返済するローンを組んだ場合、一定要件を満たすと、住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除を受けるための条件や手続きについては、こちらの記事で解説しています。

不動産を贈与で取得した時にかかる税金

不動産を贈与によって取得すると、登録免許税・印紙税・不動産取得税が発生するほか、「贈与税」がかかります。
登録免許税・印紙税・不動産取得税については、前項を参考にしてください。

贈与税

贈与税とは、個人と個人の贈与契約に基づいて、お金や不動産など財産の贈与があったとき、受贈者(=贈与を受けた人)が負担する税金です。
不動産そのものをプレゼントしてもらったり、不動産を購入するための資金援助を受けたりすると、いずれも贈与税の対象になります。
贈与税の計算方法や節税方法、贈与契約の正しいやり方などは、こちらの記事で詳しく解説しています。

住宅取得等資金の贈与の非課税特例

直系尊属(親や祖父母など)から住宅を購入するための資金援助を受けた場合、本来、その資金は、贈与税の課税対象になります。
しかし、要件を満たした上で税務署に申告すると、援助を受けた一定額が非課税になります。
贈与税の税率は、10%~55%の超過累進税率で非常に高いため、こうした非課税の特例をうまく活用して贈与税や相続税対策に活用することが大切です。
非課税になる金額は、贈与を受けた時期で変わります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

不動産を相続するときにかかる税金

相続税

相続や遺贈によって取得した不動産は、相続税の対象です。
相続税は、財産ごとの相続税評価額によって計算した課税価格の合計から計算しますが、基礎控除がありますので、すべての人に相続税がかかるわけではありません。
相続税の基礎控除や具体的な計算方法については、こちらの記事で解説しています。

なお、不動産取得税は相続した不動産にはかかりませんが、「特定遺贈」によって取得した不動産は、不動産取得税の対象になります。
つまり、相続を機に発生する相続税と不動産取得税では、課税対象がやや異なるということです。
 

相続・包括遺贈 特定遺贈
相続税
不動産取得税 かからない

登録免許税

相続によって取得した不動産を登記する際にも、登録免許税がかかります。
その税額は、購入した不動産よりも、低い税率で計算されます。
現在、所有者不明の土地が増えていることの解決策として、2024年を目処に、土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記することを義務づける法改正の動きがありますので、近い将来、不動産の相続と必ずセットで考えなければならない税になります。
登録免許税の計算方法については、こちらの記事で解説しています。

不動産を保有するときにかかる税金

不動産所得税

購入した不動産を個人で賃貸する場合、受け取った賃料は、個人所得税の対象になります。
所得の区分は「不動産所得」です。他の所得と合算し、5%~45%の超過累進税率によって税額を計算します。
不動産所得の計算方法や必要経費について、こちらの記事で解説しています。

住民税

個人の住民税は、主に「所得割」と「均等割」という2つの税の合計額になります。
このうち「所得割」は、前項の不動産所得を含めた、所得税の対象になる所得から計算されます。
したがって、不動産を賃貸する際は、所得税だけでなく住民税が発生することも頭に入れなければなりません。
所得税や住民税の計算方法については、こちらの記事をご覧ください。

消費税

不動産賃貸を営む個人が消費税の課税事業者(原則、前々年の課税売上高が1,000万円以上)にあたる場合、その事業で受け取った賃料などに含まれる消費税から計算した税額を納税する義務が生じます。
このとき、消費税のかかる賃料とかからない賃料があることに注意が必要です。
たとえば、事業用のテナントビルの家賃や立体駐車場の料金は、消費税のかかる賃料にあたりますが、土地や住宅の賃料は非課税ですので、消費税のかからない賃料になります。
他にどのようなものが消費税のかかる賃料にあたるか、こちらの記事でまとめています。

❮補足❯
消費税は、負担者(消費者)と納税者(課税事業者)の異なる税金です。
この仕組みを、間接税といいます。
購入時の税金の説明で出てきた消費税は、負担者(消費者)としての話でしたが、ここでは納税者としての話になっています。
個人が納税者にあたるかどうかは、原則、前々年の課税売上高から毎年判定を行います。

固定資産税・都市計画税

不動産を保有する間は、毎年、固定資産税と都市計画税が発生します。
不動産を取得すると、こうしたランニングコストにあたる税が生じることも知っておかなければなりません。
固定資産税と都市計画税は、市区町村が徴収する地方税で、その年の1月1日における所有者から1年分の税額が徴収されます。
新築の家屋や、住宅の敷地として使用される土地については、税額の軽減措置があります。
固定資産税・都市計画税の計算方法は、こちらの記事で解説しています。

不動産を譲渡するときにかかる税金

不動産を売却するときにかかる税金

譲渡所得税・住民税

不動産を譲渡する際の売却益は、「譲渡所得」にあたりますので、所得税と住民税がかかります。
売却益とは、感覚的に言えば「儲け」のことを指しますが、正確な計算方法は、税法によって決められています。
詳しい計算方法は、こちらの記事で解説しています。

消費税

売却する際に生じた、業者への仲介手数料や専門家への報酬などの支払いに対して消費税を負担しなければなりません。
また、売却する個人が消費税の課税事業者で、受け取った売却代金が消費税の課税対象になる場合、その年の納税額の計算に注意が必要です。
❗【売却代金が消費税の課税対象になる場合とは】
不動産を売却する個人が消費税の課税事業者で、かつ、売却する不動産が、事業用の資産にあたる場合、売却した建物等の代金は消費税の「課税売上」にあたります。
したがって、代金に含まれる消費税から計算した税額を納税しなければなりませんし、翌々年の納税義務者の判定にも影響を与えることに注意が必要です。
土地の売却代金については非課税取引ですので、消費税はかかりません。
ただし、「非課税売上高」として、課税売上割合(=一般課税の仕入控除税額の計算に用いる割合)の判定に影響する点に注意が必要です。
❗【売却代金が消費税の課税対象にならない場合とは】
自宅など生活用の不動産を売却した代金であれば、消費税の課税対象になりません。

消費税の課税取引の要件や具体例は、こちらの記事をご覧ください。

印紙税

不動産を売却するときに売買契約書を書面で作成すると、その文書は、印紙税の課税対象になります。
したがって、記載金額に応じた収入印紙を、契約書に貼らなければなりません。
同じものを2通以上作成するときであっても、各契約書に納税義務が発生します。
なお、不動産の売買契約書の印紙税の額には軽減措置が適用されますので、納め過ぎないよう注意が必要です。
税額はこちらをご覧ください。

まとめ

不動産に関する税金の種類やそれぞれの特徴、注意点などを解説しました。
日本には現在40を超える税目があり、いつ・どんな税が発生するか、不動産に関する取引を含め、非常にわかりづらくなってしまっています。
不動産に関しては、この記事のとおり、取得時・保有中・譲渡時の3つの時期に分けて、発生する可能性のある税金を把握することがポイントです。
そうすることによって、資金計画の狂いや納税忘れを防ぐことができます。
なお、所得税・相続税・贈与税は、自身で税額を計算して確定申告をすることが必要な税金です。
確定申告は、不動産税理士にご相談ください。

  • ページタイトルと
    URLがコピーされました

不動産と相続の専⾨誌
マルイシメディアの
公式アカウントから最新記事をお届けしています

マルイシメディアを
フォロー